2007年09月10日

[book][★★★★★]姫野カオルコ/ツ、イ、ラ、ク

ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)ツ、イ、ラ、ク (角川文庫)
著者:姫野 カオルコ
販売元:角川書店
発売日:2007-02
おすすめ度:4.5
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「恋とは、『堕ちる』もの」
という副題に惹かれ、気になってた本でした。

読み進めていくと、女の、というよりも
中学生という大人でも子供でもない時代の残酷さが目を覆いたくなるような、
それでいて、誰かの一番深くて隠している部分を覗いているような
そんな気分になりました。

わたしが中学生だったころにも、周りには隼子のような同級生がいたのだろうか。
わたしも先生を好きだった。でも、隼子の好きとは違う。
違う、と思っている。

男は少年という時代があり、女はいつの時代も女であると、本の中には書いてあった。
けど、わたしは、少女の時代もあると思う。
今でも、わたしは中学生の隼子よりも女にはなりきれていないと思う。

よくも悪くも中学生で、失う物なんてなにもなくて。
そういう時代に、自分をさらけ出せる相手と出会った隼子は、
本当に幸せだったんだろうと思う。

今がいつまでも続くと、今日より明日はいい日であると、そう信じて疑わなかったあの頃。
明日がいい日かどうかは、今日の過ごし方で決まるって知ってる今。
わたしは、それでも
今のわたしのほうが好きで、今のわたしのほうが幸せだって
それだけは、胸をはって言える。

わたしは、隼子ほどの純愛はできないかもしれないけど
隼子ほど、本能のまま生きられないかもしれないけど

それでも十分、わたしのわがままを聞いてくれる彼を好きになる事ができて
すごく幸せだって思ってる。

「恋は、『堕ちる』もの」だとするならば
きっとわたしは、彼と出会った5年前から彼を好きで
でも彼の気持ちに追いつくまでに5年かかった。
惹かれていたからこそ嫌だった。彼を遠ざけた。
見ないふりをした。じゃないと、自分が壊れてしまいそうだった。
それだけ、彼はわたしの深い部分に踏み込んで来た。
それに耐えられるほど、わたしは強くなかった。

皮肉な事に、そんな彼だからこそわたしは
あの時、心の支えにして、結果、失ってはならない存在にまで。
当時大切に思っていた人を傷つけても、手放せなかった。
わたしがそんな風に思うようになるなんて、ね。
中学生のわたしからは、まったく想像できない。

中学生でありながら、今のわたし以上に女だった隼子が
その後人を好きになる事ができなかったのも分かる気がする。
愛する人って、そう簡単には見つからない。
posted by gako at 14:39| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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