2012年03月31日

[book][★★★★☆]乃南アサ/晩鐘(上)(下)

晩鐘〈上〉 (双葉文庫)
晩鐘〈上〉 (双葉文庫)
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後半までずっと、被害者の遺族である真裕子に肩入れしていたが、
最後の最後で、加害者の子供である大輔が、不憫でならなかった。

人は、最後の第一線を超えないから、苦しいながらも前を向いて
生きられるのではないかと思う。
大輔は、知ってしまった。自分が、人殺しの子であるということを。
とたんに、自分が今まで感じていた黒い感情が、腑に落ちてしまった。
「なるほど」と思ってしまった。
そして、妹を殺した。

彼に、明るい未来を望むのは、酷な話なのだろう。

私だったらどうするのだろう。
私の中に流れる血に、人殺しの要素があったとしたら。
しかもその理由が、怨恨や事故ではなく、
付き合うのがめんどくさくなったから殺した、などと自分勝手な
理由だったとしたら。
私のなかでかろうじて踏みとどまっている黒い感情が、放出するのだろうか。
そして、人間であることを捨てて生きるのだろうか。
それとも、人間であり続けたいがゆえに死を選ぶのだろうか。

考えただけでも恐ろしくなる。
posted by gako at 17:40| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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